シャッターの向こう側。
確かに世の中そう言って、人に仕事を押し付けようとする人もいるんだけどね。
なんでもかんでも他人に頼っちゃう人。
悪くはないのかもしれないけど……
考えてみて溜め息をつく。
人のことは言えないか……
なんのかんのと言っても、今まで私は〝自分の仕事〟まで、他の人たちに頼っていたんだし。
「神崎ちゃん」
坂口さんの声に顔だけ振り向かせ、エレベータのボタンを押す。
「はい?」
「なんか、気のせいだといいけど」
「はい?」
「人に頼りきりになるのと、頼むのとは違うからね?」
……はいぃ?
「何だかよく判りませんが」
「うん。なんとなく解って」
坂口さんはニッコリすると、丁度開いたエレベーターの扉を押さえてくれた。
「どうぞ?」
「あ。はい。どうも」
エレベーターに乗り、隣に乗り込んできた坂口さんを見る。
「…………」
「俺の顔に何か?」
「いえ。何でもありません」
慌てて1階のボタンを押して、それから眉を上げた。
このエレベーターも蝶を模したボタン。
上を振り仰いで、首を傾げる。
「ここは月なんですね~」
「え?」
いつも乗っているエレベーターはフロント近くのエレベーター。
今回、屋上に向かうにあたって乗ったのは、それとは逆側にあるエレベーターだったりする。
その天井は太陽ではなくって、月の形をしていた。
「ああ。こっちはそうみたいだね~。神崎ちゃんの好みに合った?」
いや、好みと言うか、そうなんだな~って思っただけなんですが……
「神崎ちゃんて、たまに不思議なところ見てるよね」
視線を天井から外し、坂口さんを見上げる。
「不思議なところですか?」
「うん。なんとなくそう思っただけ」
坂口さんはクスクス笑いながら、肩をすくめた。
不思議なところ……
私は普通に見ている様な気がするんだけど……
……どこを見ているか、なんて事は、本人じゃないと判らないから。
いや、でも、不思議なのか?
……待て、どこがどう不思議なんだ?
なんでもかんでも他人に頼っちゃう人。
悪くはないのかもしれないけど……
考えてみて溜め息をつく。
人のことは言えないか……
なんのかんのと言っても、今まで私は〝自分の仕事〟まで、他の人たちに頼っていたんだし。
「神崎ちゃん」
坂口さんの声に顔だけ振り向かせ、エレベータのボタンを押す。
「はい?」
「なんか、気のせいだといいけど」
「はい?」
「人に頼りきりになるのと、頼むのとは違うからね?」
……はいぃ?
「何だかよく判りませんが」
「うん。なんとなく解って」
坂口さんはニッコリすると、丁度開いたエレベーターの扉を押さえてくれた。
「どうぞ?」
「あ。はい。どうも」
エレベーターに乗り、隣に乗り込んできた坂口さんを見る。
「…………」
「俺の顔に何か?」
「いえ。何でもありません」
慌てて1階のボタンを押して、それから眉を上げた。
このエレベーターも蝶を模したボタン。
上を振り仰いで、首を傾げる。
「ここは月なんですね~」
「え?」
いつも乗っているエレベーターはフロント近くのエレベーター。
今回、屋上に向かうにあたって乗ったのは、それとは逆側にあるエレベーターだったりする。
その天井は太陽ではなくって、月の形をしていた。
「ああ。こっちはそうみたいだね~。神崎ちゃんの好みに合った?」
いや、好みと言うか、そうなんだな~って思っただけなんですが……
「神崎ちゃんて、たまに不思議なところ見てるよね」
視線を天井から外し、坂口さんを見上げる。
「不思議なところですか?」
「うん。なんとなくそう思っただけ」
坂口さんはクスクス笑いながら、肩をすくめた。
不思議なところ……
私は普通に見ている様な気がするんだけど……
……どこを見ているか、なんて事は、本人じゃないと判らないから。
いや、でも、不思議なのか?
……待て、どこがどう不思議なんだ?