シャッターの向こう側。
クロスロード……もしくは単なる喧嘩
******
忙しい日と言うものは怒涛の如く過ぎていくもので、振りかえってみれば後悔なんて後の祭りさ☆
……なんて、現実逃避しても始まらないんだけど。
走りまわって写真を撮りまくり、パレードにはギリギリセーフで走り込んだ。
ちょいとお神輿……なのかな? キラキラ電飾の上の妖精さんにフラッシュ攻撃をかましながら、それでもめげずに高橋写真館に向かった。
妖精さんは、あの電飾中で暑くはないんだろうかと思いつつ。
車は借りている暇はなかったからタクシーで。
……だから、片道2000円は痛いって。
ブツブツ言っても始まらないけど、どうしても今日現像したかったし。
そして例の如く、宇津木さんの部屋をノックした。
「……お前は、人の予定を聞かん奴だな」
疲れたように言われて、にっこりと微笑む。
「たいして聞いてないですから」
「聞け!」
「部屋にいる所をみると、暇そうじゃないですか」
「あのな。今何時だと思っている?」
「22時でしょうかね?」
小首を傾げると、宇津木さんは力なくうなだれた。
「寝ようとしてるとは思わない訳か?」
「え? ホントにお祖父ちゃんですか!?」
こんな早い時間に寝ちゃうなんて、20代らしくないじゃないか。
10代の頃とは比べようもないけど、街中なら飲みに行くぜレッツゴー!! だわよ?
そういや、佐和子と最近飲みに行ってないなぁ。
無言でパシンと叩かれる。
「……何故叩かれなければ…?」
叩かれたおでこをさすりながら、上目使いに宇津木さんを見上げた。
「そんなマイルール持ち出されても、俺は困る」
……口に出して言ってたかな?
「だいだい俺が爺さんならお前も婆さんだろうが。余程俺を爺さんにしたいんだな」
そう言う訳でもないんだけど。
仕方ないな……という調子の宇津木さんに部屋に入れてもらいながら、ソファーでくつろいでいた坂口さんを見つけた。
「こんばんは、神崎ちゃん」
ヒラヒラ手を振る坂口さんに、私も軽く手を上げる。
「いらしたんですか」
「うん。軽く打ち合わせ」
「あら。それはお邪魔を」
「そんなこと思ってないくせに」
背後の低い声は無視しよう。
だいたい、打ち合わせなら打ち合わせと言えばいい。
忙しい日と言うものは怒涛の如く過ぎていくもので、振りかえってみれば後悔なんて後の祭りさ☆
……なんて、現実逃避しても始まらないんだけど。
走りまわって写真を撮りまくり、パレードにはギリギリセーフで走り込んだ。
ちょいとお神輿……なのかな? キラキラ電飾の上の妖精さんにフラッシュ攻撃をかましながら、それでもめげずに高橋写真館に向かった。
妖精さんは、あの電飾中で暑くはないんだろうかと思いつつ。
車は借りている暇はなかったからタクシーで。
……だから、片道2000円は痛いって。
ブツブツ言っても始まらないけど、どうしても今日現像したかったし。
そして例の如く、宇津木さんの部屋をノックした。
「……お前は、人の予定を聞かん奴だな」
疲れたように言われて、にっこりと微笑む。
「たいして聞いてないですから」
「聞け!」
「部屋にいる所をみると、暇そうじゃないですか」
「あのな。今何時だと思っている?」
「22時でしょうかね?」
小首を傾げると、宇津木さんは力なくうなだれた。
「寝ようとしてるとは思わない訳か?」
「え? ホントにお祖父ちゃんですか!?」
こんな早い時間に寝ちゃうなんて、20代らしくないじゃないか。
10代の頃とは比べようもないけど、街中なら飲みに行くぜレッツゴー!! だわよ?
そういや、佐和子と最近飲みに行ってないなぁ。
無言でパシンと叩かれる。
「……何故叩かれなければ…?」
叩かれたおでこをさすりながら、上目使いに宇津木さんを見上げた。
「そんなマイルール持ち出されても、俺は困る」
……口に出して言ってたかな?
「だいだい俺が爺さんならお前も婆さんだろうが。余程俺を爺さんにしたいんだな」
そう言う訳でもないんだけど。
仕方ないな……という調子の宇津木さんに部屋に入れてもらいながら、ソファーでくつろいでいた坂口さんを見つけた。
「こんばんは、神崎ちゃん」
ヒラヒラ手を振る坂口さんに、私も軽く手を上げる。
「いらしたんですか」
「うん。軽く打ち合わせ」
「あら。それはお邪魔を」
「そんなこと思ってないくせに」
背後の低い声は無視しよう。
だいたい、打ち合わせなら打ち合わせと言えばいい。