シャッターの向こう側。
……思えば、この会社に入った時、とにかく頭にあったのはお金のことばかりだった気がするな。
とにかく就職しなきゃ!!
みたいなノリで。
他の仕事に就くことは、あまり考えなかったけど……
今にして思えば、何でこの会社を選んだんだろう。
考え込んでいると坂口さんが苦笑した。
「この会社を踏み台にしようとはしないんだね」
「はい?」
どうやったら、この会社を踏み台にできるというんだ?
坂口さんは私の不思議顔を眺め、ふっと小さく笑った。
「いいね。君みたいな子は好きだよ」
「そうなんですか」
何の気無しに返事をして、ガリガリとコーンを食べる。
「……絶対、意味解ってないでしょ?」
「何がですか?」
坂口さんは深く溜め息をつき、頭をかいた。
「だから……好きみたいなんだ」
「…………」
ん……?
「……はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げたら、坂口さんは困り果てたような顔をしてみせた。
「自分でも、なんでかな~……なんて、少し思うんだけど」
なんとも、心許ない話だな。
……て、言うよりも先に。
「私と坂口さんて、接点あったのは今回が初めてですよね?」
今回はこの複合施設の広報を担当してるけど、会社では全く違う部署に所属していて会うことも稀。
坂口さんは宴会会長だから、そりゃ、私からしてみれば知った顔だし、坂口さんにしてみれば、社員旅行で行方不明になっただけの認識でしょ?
それが何故、そのような話に成り得るのか、さっぱりだ。
「うん。まぁ、会って話したのは初めてだよね」
「……ですよね?」
「俺が思うに、時間的な部分は関係ないかなぁ~と」
つまり?
「なんて言うかさ……君みたいな子が隣に居てくれると、安心できるって言うか」
安心できる……
そんなにこと……初めて言われた。
坂口さんはふわっと微笑んで、自らを指差した。
「だからさ。今……彼氏とかいないなら、俺と付き合っちゃわない?」
とにかく就職しなきゃ!!
みたいなノリで。
他の仕事に就くことは、あまり考えなかったけど……
今にして思えば、何でこの会社を選んだんだろう。
考え込んでいると坂口さんが苦笑した。
「この会社を踏み台にしようとはしないんだね」
「はい?」
どうやったら、この会社を踏み台にできるというんだ?
坂口さんは私の不思議顔を眺め、ふっと小さく笑った。
「いいね。君みたいな子は好きだよ」
「そうなんですか」
何の気無しに返事をして、ガリガリとコーンを食べる。
「……絶対、意味解ってないでしょ?」
「何がですか?」
坂口さんは深く溜め息をつき、頭をかいた。
「だから……好きみたいなんだ」
「…………」
ん……?
「……はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げたら、坂口さんは困り果てたような顔をしてみせた。
「自分でも、なんでかな~……なんて、少し思うんだけど」
なんとも、心許ない話だな。
……て、言うよりも先に。
「私と坂口さんて、接点あったのは今回が初めてですよね?」
今回はこの複合施設の広報を担当してるけど、会社では全く違う部署に所属していて会うことも稀。
坂口さんは宴会会長だから、そりゃ、私からしてみれば知った顔だし、坂口さんにしてみれば、社員旅行で行方不明になっただけの認識でしょ?
それが何故、そのような話に成り得るのか、さっぱりだ。
「うん。まぁ、会って話したのは初めてだよね」
「……ですよね?」
「俺が思うに、時間的な部分は関係ないかなぁ~と」
つまり?
「なんて言うかさ……君みたいな子が隣に居てくれると、安心できるって言うか」
安心できる……
そんなにこと……初めて言われた。
坂口さんはふわっと微笑んで、自らを指差した。
「だからさ。今……彼氏とかいないなら、俺と付き合っちゃわない?」