シャッターの向こう側。
セピア
友達……もしくは酔っぱらい
******
出張から帰って来た次の日。
ちょうど土曜だったから、佐和子と昼間お茶をすることになった。
……普通は彼氏とデートするかも知れないけど。
お互いに移動の疲れを癒そう……って感じで、まずは日曜日に会う約束をして空港で別れた。
そんな出来事を、佐和子に報告した訳なんだけど。
何故、フォークでチーズケーキを突き刺したまま、そこで固まっているのか解らない。
「マジ? あんた、坂口毅と付き合う事になってるの!?」
「なってるの……と言うか、なったの」
坂口さんて、タケシって言うんだ~。
なんて、感心しても仕方ないけど。
「坂口さんていい人だよ?」
「知ってるわよ! 佐和子の情報通をナメないでちょうだい!」
いや……
そんなけったいなモノ、一度たりともナメてかかるつもりはない。
「さすがに驚いたわ。あんたと坂口さんにそんな出来事が起こるなんて」
……私も想像すらしなかった。
「なんか、実感なんてないけどね」
ポツリと呟くと、佐和子は思い出した様にチーズケーキを切り分け、深く頷いた。
「なんにしても良かったじゃない。あんたはしばらく彼氏もいなかった訳だし?」
「まぁ、居なかったよね」
居ても居なくても……
「しかも、大口の仕事もちゃんと切り抜けた様だし、言う事無しじゃない」
……うん。
まぁ……そうかな。
だけど、本当に実感がないと言うか。
学生時代のお付き合いって、付き合ったらだいたい一緒に行動するじゃない。
登校や下校はもちろん一緒で、休み時間もいつも一緒で、メールや電話はしょっちゅうあって。
うきうきウハウハときめきドキドキ☆
……実際、そんな事は過去数年遡ってもお目にかかったことはないけど。
行動は一緒にしてたかなぁ……なんて。
今、これが社会人のお付き合いの仕方なんだな……と、納得中?
「何なの。その冷めた感じ」
佐和子に睨まれて、頭をかいた。
「しばらくぶりにお付き合いすることになったからかな?」
「この世の春じゃない! 坂口さんて、確かに宴会会長なんて言われてるけどイケメンよ!」
「うん。いいよね。足長いし」
出張から帰って来た次の日。
ちょうど土曜だったから、佐和子と昼間お茶をすることになった。
……普通は彼氏とデートするかも知れないけど。
お互いに移動の疲れを癒そう……って感じで、まずは日曜日に会う約束をして空港で別れた。
そんな出来事を、佐和子に報告した訳なんだけど。
何故、フォークでチーズケーキを突き刺したまま、そこで固まっているのか解らない。
「マジ? あんた、坂口毅と付き合う事になってるの!?」
「なってるの……と言うか、なったの」
坂口さんて、タケシって言うんだ~。
なんて、感心しても仕方ないけど。
「坂口さんていい人だよ?」
「知ってるわよ! 佐和子の情報通をナメないでちょうだい!」
いや……
そんなけったいなモノ、一度たりともナメてかかるつもりはない。
「さすがに驚いたわ。あんたと坂口さんにそんな出来事が起こるなんて」
……私も想像すらしなかった。
「なんか、実感なんてないけどね」
ポツリと呟くと、佐和子は思い出した様にチーズケーキを切り分け、深く頷いた。
「なんにしても良かったじゃない。あんたはしばらく彼氏もいなかった訳だし?」
「まぁ、居なかったよね」
居ても居なくても……
「しかも、大口の仕事もちゃんと切り抜けた様だし、言う事無しじゃない」
……うん。
まぁ……そうかな。
だけど、本当に実感がないと言うか。
学生時代のお付き合いって、付き合ったらだいたい一緒に行動するじゃない。
登校や下校はもちろん一緒で、休み時間もいつも一緒で、メールや電話はしょっちゅうあって。
うきうきウハウハときめきドキドキ☆
……実際、そんな事は過去数年遡ってもお目にかかったことはないけど。
行動は一緒にしてたかなぁ……なんて。
今、これが社会人のお付き合いの仕方なんだな……と、納得中?
「何なの。その冷めた感じ」
佐和子に睨まれて、頭をかいた。
「しばらくぶりにお付き合いすることになったからかな?」
「この世の春じゃない! 坂口さんて、確かに宴会会長なんて言われてるけどイケメンよ!」
「うん。いいよね。足長いし」