目覚めぬ君に口づけを


頭には包帯を巻かれ、
口元には酸素マスクをつけられて、
左手は点滴で繋がれている。


静かな部屋に居るのは、私とこの男性のみで、他に人は見当たらない。



「今日も来たよ…友哉」




薬の匂いが充満しているこの病室に響くのは、私の声とピッピッピという心電図の音だけ。
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop