無限破壊<インフィニティ・ブレイク>
ステージ1
信念
「カラサダか。結構時間経っちゃったな」
誰が悪いでもないのに僕は船を降りながらそう愚痴を言ってみたりする。
カラサダ…地図上では南西に位置する小さな町。鍛治や医療が発展している町で冒険者がよく来る町でもある。
ちなみに、説明すると、ここはゲームの世界。
"テスレイト・マリス"、二年前から始まった超人気オンラインゲームの1つ。
このゲームは他のゲームとは異なるシステムがある。
"ワールド・ジャンパー"
現世とゲームの世界を行き来するためのシステム。これにより、現世からここ、ゲームの世界に入るためにある入り口のような役割を果たすシステムのこと。
このシステムが導入されてから人気は莫大に上がった。
僕、レンハもその一人で。
"ワールド・ジャンパー"をしてゲームの世界という独特的なものを楽しんでいる。
ランクは90
格はB
スキルは3つ持ち。
まあ言わば普通の冒険者。
ただスキルの3つが剣闘士と縛陣、スピードアップ。
剣闘士がLv43
縛陣とスピードアップがLv50
まだ格がBだということもあり、スキルの上限レベルがBの場合50までとなっている。
ただ、1つ、他の冒険者にはない隠しスキル…バーサーカーを持つ僕は伝説の一人として世界に広まっている。
「僕はそんな大層な身分じゃないんだけどなあ」
伝説の一人、、言わばこの"テスレイト・マリス"というゲームである偉業を成し遂げた者のことを意味する。
その偉業を成した伝説が全員で五人。
この伝説者五人のことを五大伝説冒険者と言われてる訳なんだけど、、。
何故か僕までがその伝説の仲間入りをしているというわけである。
「僕より強い人なんて、いくらでもいるのにな~」
別に伝説と呼ばれて嫌な気分にはならない。
それでも強い人はこの世界にはいくらでも存在するんだよね。
それなのに、僕が選ばれた。
―――ある偉業を成し遂げたと情報が回ったためなんだけど…。
「 よし、着いたことだし。
ここらでログアウトするかな」