不良の俺とクールな後輩
俺が送りたかっただけだし
1人は自転車を支えて立っていて、もう1人もそのすぐ横に立ってる。
俺が公園から出て歩き出すと、笑顔で話していた女子2人は不思議そうな顔でこっちを見た。
そのうちの1人が、何かに気づいたように俺に手を振った。
「この前の先輩、こんばんは!」
この前の先輩って
何だそりゃ
「…おう。」
でも俺はその女子が覚えていてくれたことが、なんか嬉しかった。
こんな気持ちは初めてで、何なのかも分からないけど
なんかホッとする感じ
「どうしたんですか?こんな時間に。」
「お前もどうしたんだよ。早く帰らねーとあぶねぇぞ。」
何だって女子がこんな時間に外出歩いてんだよ。
いつもの集まりにも何人か女子はいるけど、あいつらには思ったことはない。
「ね、ねぇ麻耶……この人誰?」
もう1人の自転車を支えている方の女子が少し怯えるように俺を見た。
……そんなに怯えなくても何もしねーよ