不良の俺とクールな後輩

麻耶が手伝ってくれたおかげでプリントの束はすぐに減っていって




「あ〜!やっと終わりましたね!」




「ああ。」




麻耶がそう言って腕を伸ばしたのは6時半をちょっと過ぎたぐらいだった。




手伝ってくれた礼を言おうと俺が顔をあげると、そこには麻耶の笑った顔があった。




「先輩、お疲れ様でした!」




その時、開いてた窓から資料室に風が吹き込んできて、麻耶の肩までの髪がフワッて宙に浮いた。



俺は驚いて目を見開いた。




「あれ、外風が強いのかな。」




麻耶が髪をおさえて窓の方を見ても、俺は目を見開いたまま麻耶を見ていた。




「どうしました?」




俺は麻耶にそう言われてやっと我に返った。



それでも麻耶から目を離せなかった。



正確に言うと、麻耶の耳から




「それ……」




俺は麻耶の左耳を指差した。



それは、小さな小さな穴だった。




「……ピアス?」




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