不良の俺とクールな後輩
「裕也ぁ。だ〜れが『今すぐ行きます』だ?」
突然後ろでそんな声がして、俺と祐也は反射的に立ち上がった。
でも間に合わなくて、祐也は神崎先輩に後ろから羽交い締めにされた。
「何の話してたんだ?悩み事なら先輩が相談に乗ってしんぜよう!」
神崎先輩が俺達のところに来たことで、先輩と騒いでた他の奴らも集まってきた。
「神崎先輩に彼女いるんならのってもらうんすけどね!」
「ば〜か。俺にだって彼女ぐらいいたことあるぜ?今は絶賛募集中だけど。」
先輩の言葉にその場にいた全員が目を見開いて先輩を見た。
「…まじすか?先輩。」
誰かがそう言うと、神崎先輩の顔が若干引きつった。
「お前ら…俺のことをどう思ってたのかよぉぉく分かった。」
何を考えたのか先輩は急に立ち上がると俺達を置いて後輩達を追いかけ始めた。
みんな小さな悲鳴を上げて逃げて行って、もー軽い鬼ごっこ状態
「…なにしてんだ?」
「さあ。」
それ以外俺には言うことはなかった。