不良の俺とクールな後輩
「……俺もそろそろ行くか。」
1時間目からサボってたから一応学校に来ていることは知らせないと、出席していないことになる。
そう思って立ち上がろうとした時、中庭に誰かが走って入ってくるのが見えた。
「……こんなところ入ってくるなよ。」
うっとうしいと思った時、足音が止まって俺は顔を上げた。
そこにいたのは青ネクタイをした女子だった。
青は特進科のネクタイ
俺達普通科の深緑色のネクタイに比べてその青はとても鮮やかで
特進科は各学年に1クラスしかないのもあって、数少ない青ネクタイは普通科の憧れだった。
「……こんなところで、何をしてるんですか?」
女子は不思議そうに首をかしげると俺の前まで歩いてきた。
なぜか鞄を持っていることは、本人は気にしていないらしい。
「……見れば分かるだろ。」
「サボってるんですよね。それ、吸いながら。」
女子が指差した方向を見ると、そこには裕哉のだと思うけどまだ火が少しついているタバコがあった。
あいつ……!!
「これは……!」