不良の俺とクールな後輩

「あなたのじゃ、ないんですか？」



「俺がタバコなんて……」



吸うわけないだろ、と言いかけて俺は言葉を止めた。




……そうか



俺がいくらタバコや酒に手を出さなくても、周りから見たらそう見えるのか




「……そうだったら、どうする？」




「は？」




女子はポカンと口を開けた。



俺はその顔を見て鼻で笑う。




「教師に言いつけるのかよ。中庭でタバコ吸ってますって。」




「……そんな面倒なことしませんよ。」




そんな返事がくるとは思わなくて、次は俺がポカンと口を開けた。




「は？」



「いや、だって人が好きでやってることに文句つけても仕方ないじゃないですか。」




女子は何を考えたのか、タバコを踏んで火を消すと拾って近くにあったゴミ箱に投げた。




小さくなったタバコはゴミ箱の淵に当たって中に入った。




「ただ、やるならバレないようにって言いたかっただけです。」




女子の何とも思っていない顔を見て、俺は開いた口を閉じれないでいた。