不良の俺とクールな後輩
ハルのことですか?
〈麻耶side〉
「ケホッ、ケホッ……うへぇ。」
「麻耶、うへぇって。」
私が変な声を出したことに友達の桃花が笑った。
今は放課後の補習授業
特進クラスの希望者だけが集まって授業がある。
先生が来るのを待っている間に私達は窓側の席をゲットして話し込んでいた。
「なんて声出してるのよ。」
「なんか最近、咳止まらないの。」
「風邪か何かでしょ?最近お兄さんが風邪ひいたって言ってなかった?」
「うん。うつされたかも。でもお兄ちゃん、この前はピンピンしてたんだけどなぁ。」
ついこの間も遊んでくるとか言って一晩家に帰ってこなかった。
親が忙しくて家に居ないからって好き放題……
「何やってんだかね。」
「麻耶もね。最近不自然に先輩に関わってるじゃない?
ほら、なんて言ったっけ……塾の帰りにあったあの怖い先輩。」
「ユキ先輩?」
確かに、塾の帰りに桃花のマンションの前で話してた時ユキ先輩に会ったことがあった。
桃花はその時は怖がってたけど、私が何回か怖い人じゃないって説明したらそれを信じてくれたらしかった。