不良の俺とクールな後輩
「そうそう、吉原由貴先輩。2年生の間でも怖い人って有名らしいよ。」
「そんなのどうでもいいよ。先輩はみんなが思ってるより怖くない。」
先輩はきっと優しい人なんだと思う。
お酒もタバコもなんだって、自分がしないって決めたんだったら絶対にしない。
私はそんなに強くないから、そんなユキ先輩を見て素直にカッコいいって思った。
「麻耶、あの先輩のこと気になるの?」
「ん?ユキ先輩?」
「うん。最近話す機会も多いし、吉原先輩と関わるようになってから考え事多くなったし。」
考え事……
そりゃあ、まぁ
どこに行っても不良グループみたいなのはあるんだなって、しみじみ感じたけど
私の中学は本当に不良校で、まともに授業を受けれたことなんて一度もなかった。
……まぁ、自分もその不良グループにいたんだけど
1週間前の闘争の時にユキ先輩達と会った時のことを思い出して私はため息をついた。
あれは、本当にたまたま
近くに不良グループがいるっていうから、大輝が興味を持って行こうって話になっただけ
学校が近かったからもしかしたらと思ったけど、それが当たってユキ先輩達と顔を合わす羽目になった。
「先輩、びっくりしてたなぁ。」
昼休みに中庭でユキ先輩に会ったことを思い出した。