不良の俺とクールな後輩

〈由貴side〉

最近ちょっと寝れない日が続いてた気がする。



麻耶と中庭で話した日から、俺は前にも増して荒れた。



集まりがないから1人出歩いて、絡んでくる奴がいたら容赦なくぶっ飛ばした。



それが俺にできる唯一のストレス発散方法



毎晩出歩いてたせいで3日ぐらい寝てなくて、俺は授業で耐えられなくなって保健室に向かった。



俺が保健室の扉を開くと、そこには誰もいなかった。




……ラッキー




俺は心の中でガッツポーズをするとベットに横になった。



ちょっと体がだるいだけで熱はないだろうし、寝てれば治る、はず。



10分ぐらい経ってちょっとうとうとし始めたとき、ガラガラって音がして保健室の扉が開いた。



誰だよ、せっかく寝てたのに…



だけど、それから物音1つしなくて、俺は不思議に思って目を開けた。



俺はカーテンをちょっと開けて様子を伺った。



そこには、床でうずくまった女子がいた。





荒く息をして、ちょっと苦しそうで




「……麻耶?麻耶!?」




それが麻耶だって分かった時、胸が一気にざわついたのを感じた。



麻耶を見るのは久しぶりだったっていうのもあるけど、それだけじゃない。




立ち上がれないほど体調が悪いみたいで



俺が飛び起きて近づくと、それに気づいたのか麻耶はゆっくり顔を上げた。





< 62 / 107 >

この作品をシェア

pagetop