不良の俺とクールな後輩
私はため息をついてその声に答えた。
「......上りも下がりもしてないと思います、お父さん。メールしてからまだ30分も経ってないし。」
シスコンな大輝以上に親バカなお父さんの大声
家でなかなか会うことがない分、何かあった時は毎回連絡してくれる。
『それより麻耶、電話無視しようとしただろう!長かったぞ!』
どう誤魔化そうか考えていた時に、電話の向こうに女性の笑い声が聞こえた。
『あははは。あなた、そんな大声出すと麻耶の熱が上がっちゃうわ。』
『おおお、それはすまない、麻耶!だけど俺はお前のことが心配で心配で...あ、ちょっとお前、おい!......『麻耶?』』
お父さんの声が途切れ、ガサゴソ音がしたと思うとお母さんが電話に出た。
「はい。」
『あらあら、その声だとだいぶ辛いでしょう。今日は温かくして、ちゃんとご飯食べるのよ?1階だったか2階だったか忘れたけど、リビングに薬があるわ。それを飲んで今日はもう勉強せずに寝なさい。』