不良の俺とクールな後輩
大輝と肩を組んで映ってる男は、真っ黒な髪に整った顔。
満面の笑みの大輝に比べて薄く笑ってるだけの、大人っぽい男だった。
「大輝とハルです。」
「ハル………?」
麻耶の言う通り、2人とも左耳だけに黒く輝く小さなストーンのピアスをつけていた。
「どこかで見たことある気がする……」
「裕也先輩返り討ちにしたのは、ハルのグループです。」
それを聞いて、俺はこの写真に写るハルをどこで見たのか思い出した。
あの、裕也を殴っていた1人だけ黒髪の男。
「え……」
俺の声を聞いて麻耶が俯いた。
「どういうことだよ?」
「私達のグループは、所詮ハルのグループの配下に過ぎないんです。
……ユキ先輩達の集まりを襲ったのは、ハルからの指示があったから。」
俺は、麻耶が何を言っているのか分からなかった。
俺達の集まりはただ気が合うから集まっただけのもので
他のグループを従えるとか従えられるとか、そんなものとは昔から無関係だった。
「……また、私の家に来て頂けますか。」
麻耶の声は少し震えていた。
「私たちのグループのこと、お話ししますから。」