Red Water
「連れてきてあげたのに?」

そう言いながらドヤ顔をする陸。

「何?幽霊を?w」

小百合が陸をちゃかす。

「ちげぇよ!wいくらオカルト好きって言っても連れて来るほどじゃねぇよ!w」

そう、陸は大のオカルト好き。
コイツが私と小百合の所にくるとき、たいていオカルト話という嫌な土産を持ってくる。

って…それより、連れてきたってもしかして…

「あっ!!」

小百合も何かに気付いたみたいだ。
そしてニヤケ始めている。

「陸だけならまだともかく、小百合までニヤケないでよ。気持ち悪い。」

2人に文句を言っていると後ろからある人物がこちらに向かってくる。

ドキッ…

「おいー、陸、置いていくなよ。探すのダルいじゃん。」

これまた潮対応の彼。
倉田翔(くらた かける)

「とか言いながらついて来てるよな?w」

陸は翔にツッコミを入れる。

「あ?うっせーよ。」

翔は相変わらずの潮対応。

そんな翔をそっちのけで陸は私をちょっと離れた所までグイグイと引っ張っていった。
それに当たり前のようについてくる小百合。

「俺、いい奴だろ?ww」

え、ちょっとまてまて、

「さり〜、バレてないとでも思ったぁ〜?w」

2人がジリジリと詰め寄ってくる。

「なっ、なんの話??」

いつもは潮対応の私だけど、今大ピンチなのでそんなそと言ってられません!!

「とぼけちゃってぇー?w」

「沙里奈って、翔の事…」

私は我慢しきれずに小百合の話を遮った。

「ス、ストップー!!な、何を勘違いしてるのかな…?わ、私は好きな人自体いないけど…?」

な、何でこの2人にバレてるの?!

「最近、よく翔君の事目で追ってるからさぁ〜?」

小百合が焦っている沙里奈をあおってくる。

って、そ、そんなに私見てたんだ?!

「俺らの話そっちのけで見入ってたときもあったしなぁー!」

陸がクククっと堪えながら笑っている。

な、なんか心を見透かされてる気が…
で、でも認めない!
この2人に知れ渡ったら後々めんどくさい!

「ち、違うよぉ〜!頭が最近ぼぉ〜っとしてね?おばあちゃんみたいでしょ、あははっ!」

焦って弁解している私を怪しいと言うような目で見てくる。

「だっ、だから私は!「おい。」」

私の声に誰かの声が重なった。

「おい、俺の存在は?存在価値あんの?」

いつもの低いトーンで淡々と話す翔。

「あっ、わりぃ、マジで存在忘れかけてた。」

陸がいつにもなく真面目な顔で答えている。

「じゃ、俺戻るわ。」

そう私達に告げると廊下に向かって歩いてってしまった。
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