EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
白魔の声を聞きながら、小鳥の視線は自分達が出て来た屋敷に移動していた。
(う…わあぁ…)
屋敷の外観を見て、小鳥は呆気に取られた。
それはまるで、家を逆さまにしたような形だった。
遥か頭上にある天井に家の土台が張り付いており、下に向かって徐々に細くなっている。
「い、家が…空にくっついてる…」
「ああ、うちは特権階層だからね」
「特権、階層…?」
静理の言葉に小鳥の目が瞬く。
「わかりやすく言うと…金持ち?いや、貴族の方が近いかな。まあ、なんにせよ、一般階層の闇人とは違って、地上への自由な行き来が許されてるんだ。だから自宅に地上直通のエレベーターがある。本来なら官僚が管理する公共用のエレベーターを使用しなければいけないんだよ」