EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「人間!?ジョーク抜きで!?」

アルトが心底驚いたふうに目を丸くする。

「へー。人間か。それなら確かに、手錠くらいしてないとすぐ食べられちゃうね」

納得するものの、蜜莉は目を細めた。

「けど、カロン。君はアイドルって自覚あるの?女子と手錠でベッタリとか、ファンに見られたらヤバくない?」

「え?カロンさんてアイドルなんですか!?」

アイドル的な様子など屋敷ではおくびにも出さなかったカロン。

意外過ぎてカロンの顔を見つめると彼は視線を泳がせた。


「あ~…一応」

「何が一応だよ。もっと自覚して」

蜜莉に怒られるカロンなどほっといて、アルトは小鳥に向き直った。

そして自慢げに話し出す。

「俺らね、アイドル歌手やってんの。mystic poisoning(ミスティック ポイズニング)て言うグループ名でさ。メンバーは俺にハニーにカロン」


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