EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「今日からテーマは“十八世紀初期の人間による闇人信仰”に入ります。十八世紀といえば闇人信仰の黄金期。人間が闇人の存在を認めるようになった事件について…」
話し出す静理の声を聞きながら配られたプリントに目を通す。
そこには吸血史という科目名で、静理が説明したテーマ内容の年表やヨーロッパの地図、死体や棺桶の絵などが載っていた。
(世界史の授業みたい。死体の絵とかは……ちょっと気持ち悪いけど)
興味がわいてきた小鳥が真剣に授業内容を聞こうとした時。
隣から盛大なあくびが聞こえた。
「ふぁあ~……静理の声聞いてると眠くなる…」
まだ始まって十分も経っていないが、すでに睡眠態勢に入るカロン。
「カロン、寝たらヤバイぜ。ムチ野郎の鉄拳がいつ飛んでくるか…」
アルトが振り返ってそう言った瞬間だった。
教壇から勢いよくチョークが飛んできた。