EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「イデッ!!」
見事アルトの頭に激突したチョークはあまりの衝撃に粉々に砕け散る。
「そこ、授業は黙って受けなさい」
教壇へ目をやると、静理が黒板前で微笑みながらこちらを見ていた。
「イッテー!ジンジンするっ」
痛そうに頭を押さえるアルトに苦笑しつつ白魔が懐かしげに呟いた。
「相変わらず命中率すごいね。久々に見たよ」
「静理さんは……よくやるんですか?……こういうこと」
「うん。静理は生徒時代からこうやって物を投げては、授業中うるさい連中を黙らせていたっていう武勇伝が…」
しゃべった瞬間、白魔にもチョークが一本飛んできた。
そのスピードは野球の剛速球を思い起こさせる。
また当たる!――と思いきや、白魔はどこからかナイフを取り出した。
「悪いけど、僕にはきかないよ」
白魔は飛んできたチョークをナイフで弾き返した。
「イダッ!!」
弾いたチョークが不運にも隣にいたルカに当たる。
「まあ、慣れるとこんな芸当もできるようになるさ」
得意げに言う白魔。
さすが兄と誰もが思った瞬間だった。