EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「次はどこ?」

教室を出ながら問う白魔に蜜莉が答える。

「C―5だよ」

「なら同じ階か。隣の教室だね」

「うん。そう」

スタスタと隣の教室へ歩いていく面々について行きながら、小鳥はあることに気づいた。


(ど、どうしよう…)


突如もよおした、尿意。


(トイレ、行きたい…かも…。けど、カロンさんと手錠で繋がってるし…。だいたい、カロンさん達にトイレ行きたいって、なんだか……)


言いづらい。

この美形三人を前にして尿意もよおしましたと言い出すのは非常に勇気がいる、と小鳥は思った。

けれど、ここで行かなかったら次のチャンスは授業が終わった一時間半後だ。


(無理…!!)


意を決した小鳥だった。


「あ、あの!」

「ん?どうした?」

教室に入る手前でカロンが立ち止まる。

こちらをジッと見つめてくるカロンに緊張と恥ずかしさを覚え、小鳥は俯いて言った。


「…あ…えと……ト…トイレ、行ってもいいですか…?」


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