EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
男子トイレに入ってスタスタと一直線に個室を目指したカロン。
空いていたところに滑り込みドアを閉めた、のは良かったが。
「ど、どうしてカロンさんまで個室の中に…?」
「手錠ついてるから」
「せめて個室の外に出て下さい!」
「なんで?べつに構わないだろ?」
「構いますよ!カロンさんがいたら……その…」
恥ずかしくてトイレなんてできない。
羞恥に頬を赤らめながら小鳥はキッとカロンを睨んだ。
「……意地悪です。カロンさん」
「は?俺、優しくね?厳しい飼い主だったら外でペットに粗相なんてさせねーし。我慢しろって命令されるんだぜ?それに比べたら小動物の可愛い我が儘をきいてやってる俺はかなり甘い飼い主だろ?」
蕩けるような眼差しで見つめられ、反応に困る。
小鳥が反論する言葉を探していると、カロンが首を傾けた。
「それとも、我慢が良かったか?」
「それは……嫌ですけど…」
「だろ?」
なぜだか得意げに胸をそらしたカロンに反抗心がむくむくと沸き上がる。
「でも、個室にまで入って来ないで下さい!これだけは譲れません…!」
カロンの背中を押して外へ出させると、彼はムスッとした表情でジッと小鳥を見つめた。