EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「反抗的な態度はよろしくないぞ?」

不意にカロンが抱き着いてきた。

彼の舌が小鳥の耳たぶを這う。

「カ、ロン…さん…?」

「悪いペットには、オシオキ…」

熱っぽい彼の吐息が耳にかかった、次の瞬間。


――ツプリ


牙が耳たぶを優しく貫いた。

出血した少量の血がカロンの舌に舐めとられていく。


「ん……あんたの血、俺好み。なあ、聞いてる?小鳥」

「痛いです…!いきなり…こんな…!」

痛みが押し寄せ涙目になる。

すると、小鳥の瞳を覗き込んだカロンがポツリと呟いた。


「あんた……やっぱ可愛いな」


傷ついた耳たぶを指先で撫で、カロンは囁く。

陶酔したような甘ったるい声に小鳥の身体がビクリと震えた。

それを見て、大型肉食獣はクスリと笑む。


「その反応、好き」


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