EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「どうしたの?小鳥」
不思議に思っていたら、白魔が顔を覗き込んできた。
「え!?あ、その……白魔さんも、先生…なんですか?」
「ああ、一教科だけで教えてるんだ。音楽の授業をね」
「音楽…」
彼の部屋で見た楽譜の山や、趣味がオペラ鑑賞だということを思い出し、小鳥は素直に納得した。
「僕の本業がピアニストだからさ、頼まれたんだよ」
「ピアニスト!?」
「ピアノ界のアイドルだよね。白魔さんは」
蜜莉の表現は適切なようだ。
白魔のファンとおぼしき集団が白魔にカメラを向けている。
「ちょっと。あれ、許すわけ?」
気づいた蜜莉があからさまに不機嫌な態度でカメラ集団をあごで指す。
「いいじゃない。ある程度のファンサービスは大事だよ」
「そんなんじゃいつかパパラッチされるよ。僕はプライベート撮られるのヤダ」
「俺も」
カロンは小鳥をカメラから隠すように自分の方へ引き寄せた。
蜜莉がウザったそうにカメラを睨みながら歩く。
そうこうするうちに食堂の前まで到着した。