EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

シャワー室前のベンチに並んで腰かける。

すると、蜜莉がカバンの中からビニール袋を取り出して小鳥に差し出した。

「え?あの…」

「あげるよ。君だってお腹減ったでしょ?」

ビニール袋の中にはコンビニで売ってるようなおにぎりやサンドイッチが入っていた。

「でもこれ、蜜莉さんのじゃ…」

「僕はいいの。基本、薬でどうにかなるから。それは予備の食糧」

話しながら彼は小さな薬ビンを取り出した。

「薬って…」

「僕は特殊な体質でね。闇人のくせに血がダメなんだ。だから血の分の栄養を薬で補ってる」


血がダメ。

そうと知っていたからカロンや白魔は安心して蜜莉にお目付役を任せたのだろう。

「薬だけだと物足りないから人間の食糧を食べて満腹感を得てるけど、気持ちの問題だし。遠慮なく食べちゃって」


< 125 / 505 >

この作品をシェア

pagetop