EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
花嫁や花婿。
この言葉に小鳥はドキリとした。
「皆さんは……人間と結婚するんですか?」
「え?あぁ…まあ。気になる?」
「……私のお母さんが、カロンさん達のお父さんと結婚したんです。だから、私は人間だけどカロンさん達と住むようにって…」
「そっか。そういう事情だったのか…。まあ、あるよね。そういうこと」
納得する蜜莉の隣で小鳥は俯いた。
「お母さん、大丈夫なんでしょうか…?相手が吸血鬼だって知ってるのかな?もし食べられちゃってたら…!」
泣きそうな声で不安な心を吐き出す。
そんな小鳥の頭を蜜莉が優しく撫でた。
「落ち着いて。ここではあんまり吸血鬼って言わない方がいいよ。相手を怒らせる結果になりかねない」
「ご、ごめんなさい…」
シュンとする小鳥に笑みを向けながら蜜莉は穏やかに言った。
「君のお母さんは大丈夫だと思うよ。普通、結婚を決めた相手を食べたりはしない。伴侶と決めたら食糧とは思わないって誓うからね。結婚式で」