EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「蜜莉さん、二十二歳には見えないよ。もっと若いのかと思ってた」
「だろうね。僕、ただでさえ童顔だから。あ、それより“さん”付けもヤメテ。呼ぶなら呼び捨てか、蜜莉くん、ミッつん、ハニーのどれか」
「じゃあ、蜜莉くんで」
一番呼びやすそうなものをチョイスしたら、なぜか残念そうな顔をされた。
「遠慮せずミッつんでもいいよ?」
「いえいえそんな!蜜莉くんで!」
「そ?なんか蜜莉くんだとファンの子としゃべってるみたい」
軽い溜息をつく蜜莉。
(なんだろう…?ミッつんて呼んでほしい、とか…?)
「………」
無言で蜜莉を見つめていたら見つめ返された。
「…………ジーッ」
効果音つきで瞳を覗き込まれ、なぜか小鳥の心拍数が上がる。
無駄に顔がイイからか、至近距離での彼の上目遣いは心臓に悪い。
「わ、わかった………ミッつんて呼ぶね?」
「うん!ありがと」
ニコリと満面の笑顔を向けてくる二十二歳。
(か、可愛い…!!)
ファンになってもいいかも、と一瞬思ってしまったのは内緒だ。