EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
さて、昼休みが終わった後はA―2での授業。
これが終わったら今日の講義は終了らしい。
「最後は何の授業ですか?」
再びカロンと手錠で繋がった小鳥は、着席しつつ彼に尋ねる。
「薔薇の神秘学。ちなみに講師はフェオだ」
「フェオって…フェオドールさん!?」
驚く小鳥に白魔が頷く。
「フェオドールは趣味で薔薇の研究をしてるんだよ。今度、彼の秘密の部屋へ行ってごらん。薔薇で溢れかえってるから」
「薔薇…」
そういえばフェオドールから薔薇の香りがしていたな、と思い出す。
とその時、賑やかな声が廊下から聞こえてきた。
「アルト、お前いい加減にしなよ!馬鹿でかい声でしゃべるな。廊下に響いて耳が痛い」
「そんなカリカリしちゃって~。オーレリアンてホント、ツンドラだよな!知ってる?ツンドラ」
「ハッ、この僕を馬鹿にするな。ツンドラは地上の北極周辺に広がる凍結した荒原で――」
「あっ、俺が言いたいのは性格のこと。ツンツンドライを略してツンドラ。あ~でも、君の場合はドライと言うより熱くなって皮肉毒舌撒き散らすタイプだよね」
「……お前、ケンカ売ってるよな?高く買ってやろうか?」
「アハハ!売り歩きはしてないんだけど、気に入ったならどうぞ?」
「おい~!やめろよ二人とも!」
オーレリアンにアルト、そしてルカが教室に入ってきた。