EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

得意げに語るオーレリアン。

唯一「兄様」と呼ぶあたり、彼はフェオドールのことを尊敬しているようだ。


「他にも、香りを嗅ぐと元気が出たり、眠くなったりと、様々な効果を生み出す薔薇を開発中だ」

そしてフェオドールは手に持っていた小さなガラスケースを近くの生徒に渡した。

「今日はサンプルとしてピンク、黒、白の花びらを持ってきた。回すから実際に香りを嗅いでみてくれ」


「げっ、マジで!?黒薔薇も嗅がせるきかよっ」

ルカの声を聞き取ったフェオドールは怒るでも注意するでもなく、至って真面目に解説した。

「花びらだから効果は薄い。ちょっとイラッとくるだけで、さして問題ない」

先生の言葉を聞いて安心したのか、順々に生徒達が香りを嗅ぎ始める。


「じゃあまず黒嗅いで、イラッとした気分をピンクでスッキリさせればいいんじゃん!」

楽しそうな声でアルトがルカやオーレリアンに提案する後ろで、蜜莉がふと疑問を口にする。

「あれ?そういえば、白って何の効果か言ってた?」


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