EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「ああ、言い忘れていたか。白薔薇の香りは記憶を消す効果がある」

フェオドールの言葉に今度はカロンが反応した。

「は?それってかなり危険じゃね?」

「これも花びらだから問題ない。少しボーッとする程度で終わる」


話をするうちにルカ達の席にも花びらが回ってきた。

ケースの蓋を開け、まずアルトが香りを嗅ぐ。

「黒嗅いで白嗅いでピンクだな」

「何でもいいから早くしなよ」

オーレリアンに急かされサッサと手渡していく。


「ん~……さすがフェオの薔薇…。花びらでも効果バッチリ」

白薔薇を嗅いだルカが、ボンヤリする頭を手で支えた。


「はい、次どうぞ!」

アルトがサンプルケースを小鳥達の机に回してきた。

「花びら…見た目は普通ですね」

「そうだね。どれ嗅ぐ?まずはやっぱり黒薔薇がいいんじゃない?」

白魔の意見に賛成なため小鳥は黒薔薇のケースを手に取った。

その隣でカロンがピンク、蜜莉が白薔薇を嗅いでいる。


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