EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
基本的に無口なフェオドールは、あまり積極的に自分から他人に話し掛けるタイプではない。
しかし、今回はかなり気にしていたようだ。
「……すまなかった」
「え?フェオドールさん…?」
「君が倒れた原因は俺の白薔薇だろう?すまないことをした」
「あ、いえ!謝らないで下さい。私の自業自得といいますか…その…」
「あの香りは人間にはきついということか」
「そう…なんでしょうか…?」
「ふむ……まだ改良する余地はありそうだな」
何やら思案しているフェオドール。
その横で小鳥は話題を探していた。
「あの、フェオドールさんは…今日はお休みなんですか?お仕事」
「いや。この後、出掛ける予定だが……まだ時間がある」
ようするに、今、ヒマだ。
目でそう語る彼は、ヒマつぶしにテレビをつけてチャンネルを回し始めた。