EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「カローン!!ストーーップ!!!」
第三者が勢いよく駆け込んできた。
「ルカ?」
「カロン!!その子、商品じゃないから!」
ルカと呼ばれた金髪男子。
彼はカロンと小鳥を引き離すと盛大に脱力した。
「ハァ、ハァ……セーフ…。マジ危なかった…」
肩で大きく息をするルカを、上手く働かない思考で見つめる小鳥。
(助かった、の…?)
だが、気になる事実。
(吸血鬼って…)
不安に陥る小鳥の横ではカロンとルカが話を進めていた。
「どういうこと?ルカ」
「この子、櫻井小鳥でしょ?父さんから連絡あったんだよ。再婚したから櫻井小鳥ちゃんをよろしくって」
「は?てことは、また親父が女とヤッたのか?」
「や、ヤッたとか言うなよっ!下品!てか、この子は連れ子。俺達と血の繋がりはないから」
「へー。連れ子か」
しげしげ小鳥を見つめるカロン。
そんな彼に対し、小鳥は先程から気になって仕方ない疑問を怖ず怖ずと口にした。
「あの…吸血鬼って、どういうことですか?」
するとカロンが再び繰り返した。