EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「カローン!!ストーーップ!!!」


第三者が勢いよく駆け込んできた。

「ルカ?」

「カロン!!その子、商品じゃないから!」

ルカと呼ばれた金髪男子。

彼はカロンと小鳥を引き離すと盛大に脱力した。

「ハァ、ハァ……セーフ…。マジ危なかった…」


肩で大きく息をするルカを、上手く働かない思考で見つめる小鳥。


(助かった、の…?)


だが、気になる事実。


(吸血鬼って…)


不安に陥る小鳥の横ではカロンとルカが話を進めていた。


「どういうこと?ルカ」

「この子、櫻井小鳥でしょ?父さんから連絡あったんだよ。再婚したから櫻井小鳥ちゃんをよろしくって」

「は?てことは、また親父が女とヤッたのか?」

「や、ヤッたとか言うなよっ!下品!てか、この子は連れ子。俺達と血の繋がりはないから」

「へー。連れ子か」


しげしげ小鳥を見つめるカロン。

そんな彼に対し、小鳥は先程から気になって仕方ない疑問を怖ず怖ずと口にした。

「あの…吸血鬼って、どういうことですか?」


するとカロンが再び繰り返した。


< 15 / 505 >

この作品をシェア

pagetop