EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「ああ。だから…俺達は吸血鬼なんだよ」
にわかには信じられない告白を二度もされ、小鳥の思考が一瞬真っ白になる。
「吸血鬼…」
「そ。あんたのお袋は吸血鬼と再婚したってことだな」
(お母さんの再婚相手が吸血鬼!?)
驚愕の真実に小鳥の足がガクガクと震え出した。
「あ~…大丈夫だから!君に怖いことは何もしないから」
気づいたルカが慌てて慰めようとする。
「まあ、仕方なくねぇ?いきなり吸血鬼とか聞かされたらな」
「言ったのお前だろが!カロンちょっと黙れよ!小鳥、安心して。君のことは家族として迎えるよ。だから怖がらないで」
そう言うとルカはしゃがみ込んでいる小鳥の手を取った。
(怖いっ………けど…)
歩き出さなければ始まらない。
決心して立ち上がると、小鳥はルカに導かれゆっくりと歩き出した。