EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「適さない…?」
「うん。馬は草食でしょ?地下では植物を育てることが困難だから、大量に草を食べる草食動物は適さないんだよ。その点、ヒョウは夜行性で肉食だから育てやすいし飼いやすい」
小鳥はカロンが飼っている黒ヒョウを思い出した。
人間が猫を飼うような感覚なのかもしれない。
(地下では草食動物は生きられないのか……あれ?でも――)
「あのっ、フェオさんの花園には薔薇がいっぱいありましたけど…あれは…?」
「ああ、フェオドールの花園は園芸専用の特殊部屋だから育つんだよ。薔薇も品種改良されて闇に強くなっているしね」
なるほどと納得していると、白魔が顔を覗き込んできた。
「他に、聞きたいことは?」
やや上目遣いの視線にドキリとする。
「あっ、いえ…べつに…」
「そう?じゃあ、今度は僕が質問してもいい?」
自分の膝を見つめながら小さく頷くと、白魔の上品な笑い声が耳に入った。
「君はさ、処女だよね?」