EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
午後六時の晩餐会
†††
カロンを残し、ルカと小鳥は危険な部屋から廊下へ出た。
「………えっ…と」
小鳥の手を握ったまま、ルカが言葉を選ぶように声を出す。
「ま、まだ自己紹介してなかったよな?初めまして…!俺はルカ。よろしく」
「よろしくお願いします。私は…」
「ああ!君のことはわかってるからっ。大丈夫!」
ぎこちない笑みを浮かべるルカ。
照れているのか人見知りなのか、テンパった様子丸出しだ。
そんなハニカミ屋な彼に手を引かれ、真っ直ぐ伸びる細長い階段を下りた。
「荷物、少ないけど…それだけ?」
階段を下りた先にある重たいドアを開けながら、ルカが小鳥のスポーツバッグを見る。
「はい。これだけです」
「へぇ…。物欲ないの?すごいね」
感心したように言われ、小鳥は視線を泳がせた。
「そんなことないですよ。ただ、うちはそんなに裕福じゃないから、物が欲しいなんて言いづらくて…」