EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
パン売り場を離れてお米コーナーへ。
お客の数は地上のスーパーに比べたら断然少ないのでカート衝突の心配もなく、のんびり見て回れる。
お米をカートに乗せる作業を白魔に手伝ってもらいながら、小鳥は買い物中、隣に誰かがいることを新鮮に感じた。
(いつも一人だったから……なんか、いいな。こういうの…)
「次は何を見る?……小鳥?聞いてる?」
「あっ、はい!すみません!」
「ボーッとしてたね。どうかした?」
近い距離で顔を覗き込まれ、一歩後ずさる。
「いえ、その……いいなぁって、思って」
「何が?」
キョトンとする白魔に、小鳥は自分の気持ちをゆっくりと言葉にした。
「……一人じゃ、ないのが…。うち、お母さんが仕事してたから、家事は私の役目で…よく一人で買い物に来てたから……誰かと一緒にこうして買い物するの、考えてみたら初めてかもしれないんです。だから…」
言い終わらないうちに、小鳥の頭が白魔の胸に抱き寄せられる。
その状態で優しく頭をポンポンされた。