EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
「白魔さん…?」
「君は、少しだけ僕に似ているかもしれない」
「え…?」
「…孤独を知っている。そして、それを嫌っているんだ」
そこまで言うと白魔は小鳥を離し、正面から向き合った。
そして、手を差し出す。
「いいよ。その孤独、僕と二人で埋めてしまおうか」
もう、一人じゃない。
小鳥の耳には、そう聞こえた。
「……っ、はい!」
言われた言葉が嬉しくて、彼の手を取る。
そんな小鳥の行動に白魔は微笑んだ。
「君とお母さんが大変だったことは理解したけど…ずっとそうだったの?父親は?」
再びカートを押しながら白魔が尋ねてきた。
「お父さんは…小さい頃に亡くなって…」
「ふーん…離婚じゃないんだ。病気?」
「あ…えっと……病気…だったような…?」
歯切れの悪さに白魔は首を傾げた。
「曖昧なくらい昔なの?」
「いえ…私が小学生の低学年くらいだったから…覚えてるはずなんですけど…」
小鳥自身も首を傾げて考える。
(なんだろう…。お父さんのこと、覚えてるはずなのに……よく思い出せない…)
考えれば考える程、わからなくなっていく。
単に古い記憶だから忘れてしまっただけだろうか。