EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
小鳥が俯いて考え込んでいると、後ろからポンと肩を叩かれた。
「小鳥、こんばんは」
呼ばれて振り向くと、そこにはニット帽をかぶり大きなマスクで顔を覆った怪しげな人物が立っていた。
誰だかわからず小鳥が首を捻っていると、相手がマスクを取った。
「僕だよ、僕」
「あっ!ミッつん!」
現れた顔はカロンの仕事仲間、蜜莉だった。
「蜜莉?なんでそんな怪しげな格好してるのさ」
「ファン避け。人間居住区にもいるんだよね。それはそうと、君達は二人で買い物?」
「うん」
元気に頷く小鳥を見て蜜莉はクスッと笑った。
「そっか。ここに来て正解だね。このスーパーはたいていの物が揃うから便利だよ」
にこやかに語る蜜莉の横で、彼のカートの中身を白魔がゴソゴソ漁る。
「蜜莉……君さ、おにぎりとパンばっか大量買い?」
「それだけじゃないよ。キャンディーも買う」
「ミッつん、料理はしないの?」
「うん。もともと僕らに料理の概念はないからね」