EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
真っ直ぐ伸びる廊下の突き当たりを左に。
白魔の部屋と音楽室を通り過ぎた奥に彼の部屋はある。
小鳥は目的の部屋の前まで来ると、恐る恐るドアを開けた。
「失礼します…」
部屋の主はいないが、他人のプライベートゾーンゆえに言葉が出てしまった。
「暗いな…」
時刻は夜。
それ以前に地下なのだから辺りが真っ暗なのは当たり前。
小鳥はドアの近くにあった電気のスイッチを押した。
照明がつき、部屋が明るくなる。
「うわぁ……すごい」
そこは寝室というより研究者のラボだった。
高校生の小鳥には全く使い道がわからない大小様々な研究用の機械。
多くのコンピュータ。
実験器具が仕舞ってある棚や資料がちきんと整理されている本棚。
(確かオーレリアンさんは…クローンの研究をしてるって言ってたよね)
これらの道具を使っていったい、どのようにクローン研究をしているのだろう。
疑問には思ったが、今はそれどころじゃないと我に返る。