EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
学校までの道のりは、特になんともなかった。
まだ一度しか行ったことのない場所だが、道なりに真っ直ぐ進むだけなので方向さえわかっていれば迷う心配もない。
小鳥は苦もなく学校まで辿り着いた。
しかし…。
「D階、だっけ…?」
記憶を頼りに階段を上がり、壁にDと表示された階へ。
そこまでは良かったが。
「研究実習棟て、どこだろう…」
キョロキョロと廊下を見回すも、オーレリアンの姿は見えない。
悩みながら廊下を行ったり来たりしていると、突然声をかけられた。
「君、どうしたの?さっきからやけに挙動不審だけど」
「もしかして迷子か?」
白衣を着た青年が二人。
一人は眼鏡をかけており、ニコニコと優しげだ。
もう一人は髪をオールバックにしていてワイルドな雰囲気を漂わせている。
「あの、研究実習棟に行きたいんですが…どこだかわからなくて…」
正直に言うと、彼らは親切にもこんな提案をしてくれた。
「研究実習棟?僕らもちょうどそこに用があったんだよ。一緒に行かない?」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
嬉しくて元気良くお辞儀をする小鳥。
そんな彼女を見て彼らはニヤリとほくそ笑んだ。