EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

どうやらこの二人はオーレリアンと知り合いのようだが、友達というわけではないらしい。

オーレリアンの性格なら自然と周りは敵だらけになりそうだ、なんて頭の片隅でちらっと小鳥が考えていた時、いきなり袖を捲られた。

腕を剥き出しにされ、小鳥の白い肌が露わになる。

「君の血、ちょうだいね」

嗜虐的な笑みを浮かべ、眼鏡の青年がポケットから注射器を取り出す。


「や…やめ、やめてぇえ!!!!」


叫んでも無駄だった。

注射針が小鳥の腕を刺し、採血が始まる。

「痛っ…!」

「ハハッ、イイ表情だね。人間」

強引な行為に痛みで涙が出る。

小鳥は堪えるため、持っていた血液サンプルの容器をキュッと握り締めた。


「なあ、こいつが握ってるこれ。さっきクソガキが探してた血液サンプルじゃね?」

「マジ?貸して」

「ダ、ダメ!!」

抵抗を試みるも、呆気なく奪われてしまった。

それと同時に注射器も腕から離れる。


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