EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「クラヴィエ…?」

つい最近どこかで聞いた覚えのある単語に首を傾げると、オーレリアンが目を見開いた。

「何?知らないの?僕らのファミリーネームだよ。覚えとけ」

「え!?苗字は確か……カミジョウ、じゃ…?」

屋敷に来た時、表札にローマ字で「カミジョウ」と書かれていたのを思い出す。


(あれ?でもそういえば、この間の電話でジェラルドさん……クラヴィエって)


「カミジョウ?それ、白魔の母親の旧姓でしょ」

「白魔さんの…母親?」

「そう。あいつの母親は日本人だから」

この言い方に小鳥は違和感を覚えた。


(なんだか、自分のお母さんのことじゃないみたい…)


白魔とオーレリアンは兄弟なのだから、「あいつの母親」呼ばわりするのはおかしい気がする。

思い切って小鳥がそう指摘すると…。


「へぇ…足りない脳みそでも、たまには正常に働くんだね」

これは彼なりの褒め言葉だと信じたい。


「理由は単純。白魔の母親と僕の母様が別人だから」

「別人て……なら白魔さんとオーレリアンさんは異母兄弟…?」

「当たり。白魔の母親はカミジョウサユリっていう日本人。ちなみに静理の母親はユウコ。カロンの母親がシャルロット。僕と兄様とルカの母様がマリアンヌ」


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