EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ




「お前さ、一番前で爆睡するなんてイイ度胸だよね」

「ごめんなさい…!途中までは頑張ってたんですけど…」

「まあ、メスブタには難しい内容だから無理もないか。理解に苦しんで脳みそ破裂しなかっただけマシかな」


講義が終わり、小鳥を叩き起こしたオーレリアン。

彼は授業の後片付けを済ますと小鳥を教室から出した。


「じゃあ、帰るよ」

そう言ってスタスタと階段の方へ歩いていく。

そんなオーレリアンを小鳥が立ち止まったまま見つめていると…。

「何してんの!置いてくけど?」

怒鳴られてしまった。

「えっ!?あの!今日はこれで終わりなんですか?授業…」

小走りで彼に追いつきながら質問すると、イライラ全開の眼差しで睨まれる。

「そんなわけないだろう!次の時間も講義入ってるよ」


なら悪いから一人で帰る、と小鳥が言おうとした時――。


「けど今は昼休みだから、この僕がわざわざ家畜のために送ってやるって言ってんの。なんで察しないかな、この鈍感」

「っ…!」

まさかの気遣い。

意外な申し出に小鳥の胸がキュンとなる。

「ありがとうございます!」

「ふん!ほら、時間勿体ないんだから早く歩きなよ」


周りの闇人を睨み回しながら先を急ぐオーレリアン。

末っ子の護衛があり無事に帰宅できた小鳥だった。





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