EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
恐怖の食糧貯蔵室
†††
この家はだだっ広い割に、トイレの場所が一カ所しかない。
(はぁ…。大きなお家は憧れてたけど、トイレが遠くて不便…)
自室を出て長い廊下を歩き、階段を下りる。
その先にある食堂の隣がトイレだ。
女子用と男子用に分かれているから、屋敷の住人で唯一女子の小鳥には都合が良い。
気兼ねなく入れて便利なのだ。
遠いことを除けば。
(それにしても…女子トイレも皆さんが掃除してるのかな?)
男子に女子トイレまで掃除させるのは気が引ける。
今度からは自分がここを掃除しよう。
そんなことを考えながらトイレから出て来た時。
「助けてぇ!!!!」
廊下に大きな悲鳴が響いた。
声からして女性だ。
「な、なに!?」
驚いた小鳥が声のした方へ駆けて行くと――。