EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「待っててね。私の服…あっ、制服の方がいいかな?」

手近にあった白のブラウスとスカートを手渡す。

下着はどうしようかと悩んでいると、渡した服を抱きしめたまま涼子が口を開いた。


「あのさ…もしかして、櫻井…さん…?」

「あ、うん!櫻井小鳥だよ。上原さんだよね?」

「うん…」

上原涼子と小鳥は特別親しいわけではない。

席が近くなれば話す程度の付き合いはあるが、それだけだった。

そんな微妙な相手だからこそ、どう言葉をかけようか迷う。


「上原さんは、どうしてここに…?」

「私……孝介と一緒に、あのホラー屋敷に…行って……」

「もしかして……中に入った瞬間、下に落っこちた…?」

自分の経験を思い返して尋ねると、涼子が勢いよく頷いた。

「そう!それから、なんか…壁に潰されそうになったからエレベーターに乗って……それで」


ここへ辿り着いた。


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