EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 それから小鳥は居間に通された。


(ここは地下、だよね…?)


エレベーターでずっと下りてきたことを思い出す。


(地下に居間?ならルカさん達は地下に住んでるってこと?)


大きなソファーに腰掛けるよう勧められながら小鳥はルカに尋ねてみた。

「あの、地下に住んでいるんですか?」

「うん」

向かいのソファーに腰かけながらアッサリと頷くルカ。

「どうして地下に…?」

「俺達闇人の世界は地下にあるんだよ」

「やみびと…?」

「ああ~…っと……その~…俺らは自分達のことを“闇人”って呼ぶんだ。吸血鬼と意味は一緒だけど、俺達の間で“吸血鬼”は軽蔑した呼び方になる」

「そうなんですか…!」

初めて知る事実に小鳥が息を呑む。

「そう。で、俺達は日の光がダメだから、地下にネットワークを作って色んな国の闇人とやり取りしてるんだ」


(地下に、ネットワーク…?)


まだよくわかっていない様子の小鳥に、ルカは端的に言った。

「まあ要するに…地上には人間の世界、地下には闇人の世界があるってこと」


(地下が吸血鬼……闇人の世界…)


受け入れ難い事実にまたもや唖然とした時だった。


「おや?彼女がそうなのかい?」

爽やかな笑みが特徴的な茶髪の青年が居間へ入ってきた。


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