EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

わかっていたつもりだったが、生々しい現場を見せられて叫ばずにはいられない。

「いやぁっ!!やああああっ!!!!」


彼女の悲鳴に、カロンやフェオドール達も室内へやって来る。

「小鳥!?大丈夫!?」

「とうとう狂った?」

「今の悲鳴、もしかして小鳥ちゃんかい?」

ルカはもちろん、オーレリアンに、それから隣の調教部屋にいた静理までもが集まった。

そんな中、白魔が小鳥に近寄り、そっと抱きしめる。

「いやっ!!やめて…!コワイ…!!」

「大丈夫、小鳥。何も怖くないよ。君にはあんなことしないさ」

そんな優しい言葉も今は、死へのカウントダウンを楽しそうに告げる悪魔の囁きにしか聞こえない。


「こわい…!こわいよぉ…!!」


闇人は吸血鬼。

人間にとって、恐ろしい存在。



――コ ワ イ……




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