EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
雪と血と、薔薇の君
†††
あれから、数日。
小鳥が部屋から出て来ない。
否、実際にはキッチンへ行ったりシャワールームへ行ったりしているのだが、彼女の行動からして問題は「義兄弟達を避けている」ということにあった。
「小鳥……今日も閉じこもってんのかな?」
小鳥が居間に姿を見せなくなって丁度五日目だ、と数えながらルカが溜息をこぼした。
現在、夜中の二時。
居間にはルカの他に寛ぎモードで雑誌を読んでいる静理がいる。
「やっぱり俺達…嫌われたのかな…?」
「さあね。ところでルカ。学校は?」
「今日は最後の講義が休講になったの。だからヒマ~。ホントだったら小鳥と遊びにでも行きたいんだけどさ…」
あんなことがあった後だ。
誘うに誘えずヒマを持て余している。
「ねえ、静理。もしこのまま小鳥がずーっと引きこもっちゃったら、どうする?」
「どうもしないよ。俺には関係ないからね」
「ハハ…いいよなぁ静理は。…俺は……どーにかなりそう…」