EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

守りたいと思っている大事な子に避けられて、ルカの精神はややへこみ気味なようだ。

「どうにかなりそうなら、会いに行けばいいじゃないか」

「簡単に言うなよ!こっちは避けられてんだぞ?部屋の外から声かけたって返事してくれねーよ…」

小鳥は怖がっているのだ。

闇人の一番悍ましい部分に触れてしまったゆえ。

「当たり前だよな…」

あの光景を見て恐怖を抱かない人間がいるだろうか。

いたとしても、それは少数派だろう。

小鳥は普通の人間の反応を示しただけなのだ。

自分達(恐怖の対象)を無視するという行動で。


「俺達を怖いって思うのはわかる!わかるけど!…………切ない」

ソファーでうなだれる弟を煩わしく感じながら、静理はやれやれと溜息をついた。

「そんなに落ち込むことないよルカ。今の小鳥ちゃんの行動は本能的な自己防衛さ」

「自己防衛……敵は俺達か…」

ルカが力無く呟いた時、ガチャリと居間のドアが開いた。

期待をこめてバッと振り向くも、入ってきたのは末っ子だった。

「なんだぁ…オーレリアンかよ」

「おや、君も帰ってたのか」

「ふん!そこのバカと同じ科目だからね。棺桶学、休講」


< 218 / 505 >

この作品をシェア

pagetop