EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ
守りたいと思っている大事な子に避けられて、ルカの精神はややへこみ気味なようだ。
「どうにかなりそうなら、会いに行けばいいじゃないか」
「簡単に言うなよ!こっちは避けられてんだぞ?部屋の外から声かけたって返事してくれねーよ…」
小鳥は怖がっているのだ。
闇人の一番悍ましい部分に触れてしまったゆえ。
「当たり前だよな…」
あの光景を見て恐怖を抱かない人間がいるだろうか。
いたとしても、それは少数派だろう。
小鳥は普通の人間の反応を示しただけなのだ。
自分達(恐怖の対象)を無視するという行動で。
「俺達を怖いって思うのはわかる!わかるけど!…………切ない」
ソファーでうなだれる弟を煩わしく感じながら、静理はやれやれと溜息をついた。
「そんなに落ち込むことないよルカ。今の小鳥ちゃんの行動は本能的な自己防衛さ」
「自己防衛……敵は俺達か…」
ルカが力無く呟いた時、ガチャリと居間のドアが開いた。
期待をこめてバッと振り向くも、入ってきたのは末っ子だった。
「なんだぁ…オーレリアンかよ」
「おや、君も帰ってたのか」
「ふん!そこのバカと同じ科目だからね。棺桶学、休講」